SUNRISE研究会

SUpporting youNg caRdiologISts projEct

from Overseas

植島大輔(Padova, Italy)

植島大輔(Padova, Italy)

Padova University Hospital, Padova, Italy

2016年08月12日

【テーマ】2016-2017

Nulla Ostaが取れればVISAは容易

10月から留学し、ようやく一ヶ月半が経過した。まず単身で引っ越して一ヶ月で大勢を整えて一時帰国し、諸手続きに2週間使い家族4人で渡伊。一週間経って子供たちの生活リズムも整い、ようやく物書きできる時間ができたところ。この2ヶ月は手続きか子供の相手しかしていない。。。という状況で今回のレポートとなる。

おそらくレポートを読まれる方々が最も参考にするのがこのセクションではないだろうか。それに、今回はヨーロッパからは自分一人だけ!だが、盛りだくさん過ぎて書ききれない。留学手続きに関しては、特に、梅本先生と済生会横浜市東部病院泌尿器科からトリノ大へ留学されているの石田先生に大変お世話になった。

dsc_1946

写真1. 施設探しツアー中 川本、田中先生の情報は貴重だった。

dsc_1931

写真2. 施設探しツアー中 ヴェネチアで梅本先生と

▼VISAなど

前回報告したように、イタリアで2施設から見学可能の通知をもらった。San Rafaeleへ行った際すでに留学されていた川本、田中先生、またミラノ大学へ留学しようとしていた杉本先生に会え、VISAが相当厳しくなっていると教わった。

方々聞きまわった結果、学生VISAでの留学が前提のSan Rafaeleへの留学は難しそう(その後、川本・田中先生のご尽力で状況が変わっている)、Padovaへは行けそうだということでPadovaを選んだ(家賃はPadovaではMilanoの1/3以下だという理由も大きい)。

今まで3名のSUNRISEレポーターが学生VISAでイタリア留学している。しかし、今はこの方法は不可能となり、研究者として正式に雇用者VISA(nullaosta)を取る必要がある。先の先生方がこの制度について詳しく調べ、今は全貌が掴めつつある。端的に言うと、移民局との間に協定を結んでいる施設がこのnullaostaを発行することができ、大学病院でもこの協定を結んでなければ発行できない。幸いにも、Padova大学はnullaostaを発行するこができる機関であった。年間1,200 Euroの奨学金を得ることが求められたが、それを証明する書類は正式なものはなく、秘書さんが用意してくれた書類に私のサインをするだけで済んだ。先の先生方からは大使館が勝負!と聞いていたが、nullaostaが取れていれば、

① パスポート

② nullaosta証明書のコピー

③ 所定の申請用紙

④ 住民票

⑤ 申請料 14,000円

を用意し2,3雑談をしながら10分程度で申請のうえ、10日後受取で日本の住所変更より容易だった。イタリアへはnullaosta発行可能な施設への留学は問題ない。ただし、今はイタリアでは現地の医師免許(イタリア語で医師国家試験を受ける必要あり)を取らない限り手技は(法的には)できないと考えた方がいい。

nullaosta_ueshima%ef%bc%91nullaosta_ueshima%ef%bc%92

写真3. Nulla Osta これさえ取れればVISAは取れる

Padova大学の場合はinternational officeが家探しを、別機関でSAOSという海外研究者受入機関が移民局と協定を結んでいて手続き全般を英語で指示してくれた。また、大学秘書のBarbaraさんも英語が堪能なうえ、非常に協力的だった。もちろん手続きは煩雑ではあるが、概ね「日本レベル」の苦労で済んでいる。

VISA取得後の手続きは概ね前に報告されている通りだが、少し補足を。まず真っ先に歳入局(Agenzia delle Entrate)へfiscal codeを取りに行く。持っていく資料は、パスポートとイタリアでの勤め先の採用通知で大丈夫だと思う(パスポートだけでも大丈夫かもしれない)。言葉は通じなかったが、申請書に「ここを書け」と印をつけてもらえてなんとなく埋められ、ものの30分ぐらいで受け取ることができた。このfiscal codeがないと賃貸契約が結べず、先の住民登録(permesso di soggiorno)に進めない。大家にfiscal codeのコピーを送って手続きしてもらい、無事に賃貸契約を結ぶことができた。

この後、移民局へ出頭し(ここは梅本先生と違うところ)、Kitを渡され→郵便局にて申請→今後警察署(Questura)で指紋採取、という流れになっている。家族の手続きも並行して行うため、もう少し手続きが必要になりそうだ。

移民局で聞いた話だが2年以上イタリアへいる場合(滞在許可更新が2年後なので更新時)はイタリア語の基礎試験A2を通過した証明と、イタリアの文化を学ぶビデオ講義(5時間☓2日、日場所指定)を受けた証明が必要になる。

 

▼生活のセットアップ

幸いにも留学先決定から実際に留学するまで約1年あったのでいろいろ調べることができた。

詳しく知りたい方はご一報を。

【家】

大学のinternational officeが斡旋してくれた。

部屋(100平米)+水道光熱費+wifi込で1,000Euro(家賃600、その他400)大家とは英語のメールでやり取りしているので安心。

【セディナカード】

海外キャッシングで現金を調達する用。現地で現金を得るのは海外キャッシングが最安。ネットで早期返済可能。

【SMBC信託銀行口座(できればゴールド)】

ゴールドになれば海外送金手数料無料。これを家賃振込みや子供の学校への振込などに使用。ネットや電話、郵送で海外からも新規振込先登録可能。日本にあるSMBC信託支店からEuroを現金で引き出すこともできる(ゴールドは手数料無料)。今のところイタリアの銀行口座は開かずに済んでいる。

【YJFX:YahooのFX】

これでEuroに換金してSMBC信託に出金(出金は1,500円/回)。思ったより簡単だった。

【Delta Amexゴールドカード】

年会費は3万円もするが、日本在住者に限り持つだけでスカイチームの上級会員になれる。マイルで3万は十分元がとれ、トランジットでのラウンジ使用や荷物の追加などを考えると持っておいたほうがいいカード。

【Slingbox】

猪原先生のsunriseレポートを参考に導入。日本シリーズもライブで見られた。

【日本のproxy】

日本限定で見れる動画(amazon prime videoなど)が海外からでも見えるように固定proxyを契約。有料(300円/月)の固定proxyを使用中。

【Amazon Fire TV】

当初はFire stickを持っていたがFire TVに買い替えた。これとProxyやSling boxを併せてほぼ日本と変わらないテレビ環境を作れた。子供用に大変便利。

【幼稚園】

現地公立園は無料なので迷ったが、インターナショナルスクールへ通わせることに。日本人も数名在籍しており、スクールバスや給食が充実している。何より英語で話せるのがありがたい。

【医師賠償保険】

他国からの臨床研究生は、大体医師賠償保険(年間300ユーロぐらい)に入っているらしいと、石田先生から教わった。これがあってもどこまで臨床業務に手を出せるかわからないが、あるに越したことはないと思うのでこれから契約する予定。

【引っ越し】

イタリアは郵便や宅配便事情が最悪で届かないことが多いらしく、すべて荷物は手で運ぶことにした。学会、単身引っ越し時、家族で移動時の計3回、それぞれ23 kgをダンボールに詰めて。規格に合うダンボールをAmazonで購入し、自宅の体重計で計測して荷造りを進めた。現地のアパートは家具付きなので、家具家電に関しては海外用の炊飯器と電気ポットを日本で購入。荷物が大きすぎて入国時に止められたり、電車で車掌に怒られたり、この荷物運びが一番大変だった。。。

2235 2234

写真4,5 大量の荷物で渡航。これでも追加料金なし。乗り継ぎ空港のラウンジで息子は寝てしまった。

英語を聞くとホッとする日々

イタリア語が聞き取れるわけもなく自分にわからない言葉が飛び交う世界は相当ストレスで家から出たくない日もあるぐらいだった。当然のことながら看板などもすべてイタリア語で、はじめは見るのもストレスに感じ、英語を聞くとホッとしているのが不思議だった。相変わらず聞き取れはしないけれど、ここにきて、ようやく耐性がついた気がする。

dav

写真6. パドヴァ大学病院。はじめは行くのが憂鬱だった。