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2017年05月14日

2016-2017

ステント内再狭窄 ①; EESによる治療効果について

Everolimus-Eluting Stents in Patients With Bare-Metal and Drug-Eluting In-Stent Restenosis: Results From a Patient-Level Pooled Analysis of the RIBS IV and V Trials.

Circ Cardiovasc Interv. 2016;9:e003479.

F. Alfonso先生主導のRIBSトライアルシリーズからの論文です。RIBS-VではBMSのステント再狭窄に対して薬剤溶出性バルーン(DEB)とEESの効果を比較し(JACC Cardiovasc Interv. 2016;9:1246-55.)、RIBS-IVではDESのステント再狭窄に対する効果を比較していますが(J Am Coll Cardiol. 2015;66:23-33.)、これらの2トライアルの結果から、ステント内再狭窄病変に対するEESの効果について検証したものです。同様の手法で薬剤溶出性バルーンについての効果を検証した論文は、次回で取り上げようと思います。

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[背景/方法]
DESのステント内再狭窄(DES-ISR)はBMS-ISRと比較し、その再発率の高さから治療困難とされている。第一世代のDESもしくは薬剤溶出性バルーン(DEB)による治療成績をみても、DES-ISRの治療はBMS-ISRと比較し予後不良であることが知られている。RIBS-V trialではBMS-ISRに対しDEB(パクリタキセル溶出性バルーン)よりもEESによる治療が”造影所見上”優れたアウトカムが得られたことが示された。同様に、RIBS-IV trialでは、DES-ISRに対しDEBよりもEESによる治療が長期フォローにおいて優れた造影所見を得られただけでなく、”臨床アウトカム”においても優れた結果が得られたことが示された。これらの結果から、EESによるISR治療は、優れた治療戦略である可能性が示唆された。本研究では、RIBS-IVおよびVのデータを用いて、DES-ISRおよびBMS-ISRに対するEESの治療効果について検証を行った。

スタディデザイン/対象: RIBS-V(BMS-ISR/ DEB: n=95, EES: n=94)およびRIBS-IV(DES-ISR/ DEB: n=154, EES: n=155)の2トライアルから、虚血の証明されたISR(%DS 50%以上)に対しEESによって治療された249症例を対象に解析が行われた。血管径2 mm以下の患者、30 mmを超える長病変、完全閉塞病変は除外。 DAPT禁忌、余命1年以内、Angioフォローアップが困難な患者も除外。

治療: 標的病変のステント拡張不良を認める場合には、NCバルーンによる高圧拡張を積極的に行ったうえで、B/A比(balloon:artery ratio)が1.1/1となるようなEES(XIENCE Prime)を高圧(14気圧以上)で留置した。術後は、アスピリンの服用に加え、1年以上のクロピドグレル服用が推奨された。

フォローアップ: 両トライアルにおいて、術後6-9ヶ月にて造影フォローアップを行った。同時に、死亡(心臓死/非心臓死)、心筋梗塞、臨床的に必要な再血行再建、ステント血栓症等の臨床イベントが評価された。

[結果]
患者背景として、DES-ISR患者はBMS-ISR患者と比較して、糖尿病、脂質異常症、標的病変へのPCI施行、長いステント留置、エッジのISR、等の割合が高かった。

すべての患者において手技成功が得られた。

DES-ISR群においては、BMS-ISR群と比し、MLA、%DSがよりシビアであったが、focalな病変を多く認めた。またB/A比はBMS-ISR群で低かったが、デバイス拡張圧は高い傾向にあった。PCI終了後のin-segment MLAはDES-ISR群で小さい傾向にあった(BMS-ISR 2.38 mm vs. DES-ISR 2.22 mm; p=0.01)。
フォローアップ造影所見は89.3%で得られ、DES-ISRはBMS-ISRと比しin-segment MLDが小さく(BMS-ISR 2.36 mm vs. DES-ISR 2.03 mm; p<0.001)、%DSも高かった(13% vs. 23%; p<0.001)。

臨床フォローアップは100%で行われ、死亡、TVRはDES-ISR群で有意に高かった(フォローアップ1年でのTVR; BMS-ISR 1% vs. DES-ISR 8%, p=0.01)。またステント血栓症もDES-ISR群で2例認めたのに対し、BMS-ISR群では認めなかった。

[結論]
ステント内狭窄(ISR)に対する治療としてEES留置は効果的だが、BMS-ISRへの留置と比較しDES-ISRへの留置は有意に成績が不良であった。