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from Overseas

小暮智仁(London, UK)

小暮智仁(London, UK)

St Thomas's Hospital & Evelina London Children’s Hospital

2018年06月11日

【テーマ】2018-2019

はじまりは失敗から

St Thomas’s Hospital & Evelina London Children’s Hospitalに留学中の小暮智仁と申します。 2018年度SUNRISE lab.のレポーター業務を務めさせていただきます。よろしくお願いします。

<はじめに、失敗>

今回の留学が決まるまで、本当に長い道のりでした。
留学に向けて行動してから、8年がかかりました。
動機は単純で、元々留学に憧れがあり、海外で学びたいという思いもそうですが、海外で生活してみたい、海外の文化を知ってみたいという単純な興味が先だったと思います。
実際、医師歴4年目の終わりに一度留学を試み、留学予定先でのインタビューを終え、受け入れ許可までもらっていましたが、私のプランニングの甘さや医局人事との折り合いなどで断念せざるを得ませんでした。それから異動先の一般病院での業務等で手一杯となり、留学への道も全く無い状況で諦めようと思った時期もありました。しかし、強い憧れがここに導いてくれたと思います。

<感謝>

医師歴4年目の終わりというのは、SUNRISE幹事の重城健太郎先生が留学から帰国された時期に重なります。後期研修医の段階で留学され、帰国後はその研究経験を元に現在まで実臨床から臨床研究の分野まで幅広く活躍されておられます。出身大学が同じだったことや、私が留学に強い憧れを持っていた事から、最初の留学計画から親身に相談にのってくださり、今日に至るまで気にかけていただき大変感謝しております。残念ながらSUNRISE YIAではCOIの関係で点数は貰えませんでしたが・・・。

<留学までの苦闘>

全く道のない中での留学先探し、実際の留学に漕ぎ着けるまでは困難の連続でした。
私の留学先探しに関しては、専門分野を選定するところから始まります。前述の留学失敗の要因は留学の目的、利点がはっきりしていなかった点でした。
そこで留学を前提に自分の専門分野から考え直し、元々興味のあった先天性心疾患の分野に進むことを決めました。成人先天性心疾患の分野は、循環器内科の中で小児から成人への移行の問題点などで近年注目を浴びていますが、海外では10年以上前からこの分野に小児科、循環器内科医が共同で取り組みシステムが構築されているため、その進んだ診療体制を学ぶという海外留学の目的、利点が明らかです。私は留学を見据えてまず循環器小児科で2年間の研修を行いました。また研修の中で先天性心疾患患者さんに対する薬物治療の困難さ、カテーテル治療の可能性を感じ、元々循環器内科でカテーテル治療を行ってきた経歴を生かして成人先天性心疾患に対するカテーテル治療を海外で学ぼうと決めました。
2014年に同分野の主要国際学会であるCSI Frankfurtに参加させていただいた時には恥ずかしながらご高名な先生方の名前も顔も知らず、言っていることもよく分からない状態でした。仕方なく自分のスライドにコメンテーターや座長の先生方の名前と所属施設、ネットから引っ張ってきた顔写真を貼ってそれを覚えるところから始めました。本当に手探りで何かしなくては道は開けないという思いだけでした。本当に恥ずかしいスライドをお見せします。

CSI期間中、何をしていいか分からなくて作っていたスライド

学会期間中、講演を聞く代わりに作っていたスライド

その後、何人かの留学経験者の先生方とお話をさせていただく機会があり、その先生方から留学先のボスに直接熱意を伝ること、失敗を恐れないことの重要性を学びました。その後の国際学会では講演の後を狙って著名な先生方に話しかけ留学したい熱意を強めの握手と共に伝え、名刺を渡し、名刺を持っていない先生には食らいついてメールアドレスを書いていただきました。所詮どこの誰かもわからないのだから、「失敗しても失うものはない」という思いで声をかけていました。また当日、帰国後などいただいたメールアドレスに数度に渡りメールを送りました。当然、お忙しい先生方ですので無反応の先生方がほとんどでしたが、めげずにメールを送り続けました。一度メールが繋がっても忙しい時期や休暇時期などに重なり度々返信がない期間があり、メールの返信を待つ焦燥感、偉い先生に繰り返しメールを送る心苦しさに耐えながら、時間はかかりましたが最終的に今回の留学先が候補として残りました。最終的には留学先のProfessor. Shakeelの業績と人柄、施設の手技件数、直接見学に行って見た環境などから留学先を決定しました。

<ビザ申請>

最後に、国内での書類申請に関して概説します。私が取得したTier 5 visa (temporary worker visa)は、まず留学先に日本の所属病院からの推薦状、帰国後の再雇用証明を研究計画等の書類と共に提出します。受け入れ先の大学からの証明書に当たるCertification of Sponsorship (通称CoS)が発給されれば、それと戸籍謄本、銀行残高証明などと共に英国ビザセンターに申請する流れです。書類申請に関してはインターネットにたくさん掲載されていますので詳しくはそちらを参照いただければと思います。また同じく英国留学を目指してらっしゃる方がいらっしゃいましたら私のわかる範囲でお答えしますのでご連絡いただければと思います。

<おわりに>

留学は私の医師人生の中での夢の一つでした。ただ留学しただけでは意味が無いという事を肝に命じつつ、この少し長めの旅を存分に楽しんでいこうと思います。1年間その一部を共有させていただきますのでどうぞよろしくお願いします。

重城先生との抱擁

重城先生との抱擁 壮行会にて