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from Overseas

末永祐哉(Groningen, Netherland)

末永祐哉(Groningen, Netherland)

University of Groningen (Groningen, Netherland)
Research Fellow

2015年04月09日

【テーマ】第10回:留学生活;今年を終えて

自分を鍛える。

正確にいうと私はちょうどまだ渡欧後半年たったところですが、この半年について考えてみようかと思います。

まあ、本当に大変な半年でした、というのが正直なところです。考えればなんであんなに来る前に楽観的に構えられたのかはもはや不明です(笑)。来て数日で台所の下の方から水があふれてきて配管工を呼ぶ羽目になり、寒くて雨が多く、風が強い日が多いことが余計気分を滅入らせました。子供と妻の方がよっぽど適応できているような気がして、それが余計自分の無力感を加速させました。どこか1つは通るだろうと思っていた留学助成にいくら出しても落ち続け、毎月減り続ける貯金残高をみて、いつまでこの留学ができるのかわからないな、と思い、「俺はよくこんなんで留学してきたなー」とか思っていました。

仕事でも、日本では余裕をもってできていたマルチタスクが同等にこちらでもできるという完全な過信から、色々な仕事を持ってきてやっていました。それに救われる事もありましたが、こちらでの仕事が以前日本でできていたように、思い通りにできない事にいらついたり、落ち込んだり、「ここで過ごす時間は本当に自分のキャリアの上で失うものに比べて有意義なのか」とか思ったりしていました。

でも、今は「そういう事を全部ひっくるめて留学なんだ」と思えるようになりました(もちろん悟りを突然開いたわけではないのですべてではないのですが笑)。日本にいるよりもより色々な事を深く考えるようになりました。それは科学の事はもちろん、nationalityだったり、世界の事だったり、自分の事だったり。こちらに来てもちろん直接上司や同僚から教えてもらって学んだことも多いですが、それよりもより近距離で自分と向き合ってわかった事も多いです。日本でも常に自分の立ち位置や考え方、将来の目標は見失わないようにしようと時々考えるようにはしていたつもりだったのですが、今考えるとそれは今よりは浅く考えていた気がします。自分というのが本当はどういう人間なのか、という点でぼんやりとしていた事1つ1つ向き合って、自分をより知って、自分とより仲良くなって、いいところも悪いところも理解したうえで受け入れられた気がします。子供ともこんなに遊んだり、話したりする時間は日本ではありませんでした。その中でより「自分の子供なんだ」と意識する事も多く(変な話ですが)、インターナショナルスクールでの日々を毎日話してくれ、日に日に英語が上達していくのを見ているのが楽しいです。

なんだかぼんやりとした文章になってしまいましたが、一言でいうと「自分がより自分になっている感覚」があります。あと、大げさですが辛い事や大変な事、「こんなこと無理だよ」という事に対峙しているうちに日に日に自分のコアの部分が強くなっている感覚があります。日本にいた時に自分にあった一部ふわふわした感覚がちょっとずつはがれていく感覚もあります。 なんだかいつもネガティブな事ばかり言っている気もするのですが、あえて言います。留学は本当に楽しいから行った方がいいよ、と言えるのは大変な時期をどうにか乗り切り、楽しめるフェーズに入った結果、その大変な頃の記憶が薄れつつある方か、もしくはそもそもストレスを感じる仕事をする必要のない留学をしているかどっちかだと思います。でも、「これ以上辛い時期はもうないだろう」とおもった瞬間にそれ以上辛い事があるという日々を乗り越えれば、それ以外の方法では得られない「強さ」が得られると思います。なので、こんなネガティブな事を書いている自分でも、「それでもなお留学はおすすめ」できます。 私もここでどこまでできるか(主に経済的な理由で)わかりませんが、可能な限り自分のscienceもmindも強くし、すべての事をより深く考える力を身につけられるよう、精進します。

この半年、つたないレポートをお読みいただきありがとうございました。こんなやつもいるんだ、と思っていただければ幸いです。学会とかで見かけた際にはお気軽にお声かけてください。