SUNRISE研究会

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from Overseas

荒井隆秀(Paris, France)

荒井隆秀(Paris, France)

Institut Cardiovasculaire Paris Sud (Paris, France)
Clinical Fellow

2015年01月27日

【テーマ】第7回:世界に出てから見つめ直す日本の医療、どこへ向かっていくべきか

Multicenter studyを構築していく必要性

①外の世界を見たからこそわかる日本の問題点

日本は特にTAVIとMitraClipといったstructure heart diseaseに対するinterventionではヨーロッパに比べて遅れをとっていると感じます。これはやはりデバイスの認可がヨーロッパよりはるかに遅いことが原因であると思われます。ヨーロッパでは、CEマークの認可がおりれば、そのデバイスが使用可能となる国が多いようです(私が留学しているフランスはやや特殊で、reimbursement前にフランス独自のtrialを必要とするようですが)。しかしながら日本では新たなデバイス認可のためには日本独自のtrialが必要ですし、trialが終わった後も保険償還までにはかなり時間がかかるのが現状かと思われます。Edwards valveは2013年にようやく使用可能となりましたし、CoreValveもまだ使用可能となっていません。もちろん海外で有効性が示されたデバイスが日本人に合うか否か十分検討する必要はあるとは思いますが、もう少しスピードアップすべきではないかと思います。

また欧米では、情報発信にも積極的でJACCやCirculationといった主要な雑誌に多くの報告をしています。例えば新たなデバイスのtrialをどんどん行って、その成果を報告したりします。また、multicenter trialを国境を超えて積極的に行ったりもします。我々の施設はTAVIのhigh volume centerなので、TAVIに関するmulticenter studyへの参加依頼をしばしば受けています。例えばTAVIのvalve-in-valveに関するmulticenter studyの成果はJAMAに掲載されたりしていますし、bicuspid ASに対するTAVIの成果はJACCに掲載されています。当然ながらsingle centerよりmulticenter studyの方が、nも増えますし、acceptもされやすくなるのであろうと思います。日本においても近年、PCIに関して、日本国内のmulticenter registryの成果のpaperが徐々に増えていると思います。しかしながら、隣国韓国からは、NEJMのようなjournalへpaperが掲載されたりしており、我が国でも今以上に国全体として、データ収集や解析をするなどして、情報発信していく必要があるのではないかと思います。今後はstructure heart diseaseに対してもmulticenter studyを積極的に行っていく必要があり、国全体で取り組む必要があるのでないかと思います。またそこから発展させ、日本だけでなくアジア全体、ひいては欧米の施設にも加わってもわえるようなmulticenter studyを構築していく必要があると考えます。

②もしくは誇るべき点

まずは、日本の方がIVUSを中心としたimagingの知識は非常に優れていると思います。当施設ではPCI中にIVUSを使う事は、ほとんどありません。これはIVUSが保険償還されていないため、やむを得ないという事情があります。しかし我々はIVUSから本当に多くの事を学んできたと思います。IVUSを使用することで病変に対する理解が深まり、よりlogicalにPCIを進める事ができると思います。OCT/OFDIに関してはこちらでも比較的積極的に使用する傾向にありますが、その解析に関してはやはり日本の方が優れているのではないかと思います。

更にCTOの技術、知識に関してもやはり日本の方が優れていると思います。我々の施設はCTOに対するPCIも積極的に施行しています。そしてFielder XTやGaia、Corsairなど日本発のデバイスも多く使用しています。しかしながらsuccess rateは日本の方が良好であると思います。そして、日本のCTO PCIは各局面のassessmentを瞬時に行い、非常にlogicalに進む印象がありますが、こちらではそのようなlogicalなCTO PCIは少ないように思います。日本ではIVUSを多く併用するので、病変への理解がより深いのではないかと思います。それが、logical なCTO PCIにつながっているのではないかと思います。

今後は、日本の優れている点は大事にしながら、こちらで新たに得た知識、技術を生かしてさらに精進したいと思っています。