SUNRISE研究会

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from Overseas

荒井隆秀(Paris, France)

荒井隆秀(Paris, France)

Institut Cardiovasculaire Paris Sud (Paris, France)
Clinical Fellow

2015年02月11日

【テーマ】第8回:留学のダークサイド

“フランス語できないのか”

①お給料について

基本的に、今の施設では給料はもらえません。Fellowという立場ですし、手技をやらせて頂いているので、給料が欲しいと相談したこともありません。ただ今の施設はコアラボを併設しているので、そこでの画像解析を頼まれています。その解析でお小遣い程度ですが、少し頂けるようになりました。これも自分でお願いしたわけではなく、解析を始めた時は何も言われていなかったのですがいつの間にかもらえるようになっていました。もちろんそれだけでは到底生活できるレベルではありませんが、少しだけでももらえると本当に助かります。

②ボスに言われたひどい言葉。

ひどい言葉というのは今までなかったと思います。ある上司にこちらに来て最初の頃に、PCI中にフランス語で指示され、理解できずにいたら、“フランス語できないのか”と言われかなり不機嫌になられたことはあります。これに関してはすぐできるようになるわけないので、とにかく手技を頑張るしかないと思って、一生懸命やっていたら、その後言葉に関しては何も言われなくなりました(今でもフランス語はまだまだ勉強中です)。

③くじけそうになったシチュエーション。

自分の手技が至らないときはやはりガクッとなります。例えばspasmのためほぼ触知できなくなったradial artery punctureの際、これはさすがに無理だろうと思っても、替わった上司が一発でしとめたりするとかなり堪えます。更に日本にいるときはうまくいかなければ使用するデバイスを変えることで対応することが多かったように思います。例えばguiding cathが入口部にフィットしなければ形状の異なるものに交換したり、bifurcationでワイヤーのリクロスがうまくいかなければ、マイクロカテを使ったり、ワイヤーを変えたりして対応していました。しかしこちらでは、基本的に自分で勝手にデバイスを変える事はできません。もちろん変えなければうまくいかない状況もありますし、最近ではある程度自分で変えてもいいようになりましたが、それでも日本にいるときより自由度は低いです。ガイディングが合わないと思っても頑張ってエンゲージさせるしかありません。またワイヤーのリクロスが難しくても、曲げの工夫と操作で何とかリクロスさせるしかありません。それができなければ上司と交代になります。もちろん上司がやっても難しいこともありますが、上司がすんなりやってしまうこともあり、そんなときはかなりガクッとなります。ただ、このような環境でトレーニングすることでデバイスに頼らない、純粋な自分の技術はかなり向上したように思います。

④ずっと今の施設で働けるか?

今の施設はとても働きやすく、ずっといたいと思うくらいです。カテ室の雰囲気はとても温かく、フランス語も大してできない自分にも皆とても親切に接してくれます。症例も豊富ですし、多くの経験を積むことができます。もちろんずっと今と同じ状況で働けるわけではないので、日本に帰らなくてはならず、それを思うとかなり寂しくなります。