SUNRISE研究会

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from Overseas

塩野泰紹(UK)

塩野泰紹(UK)

Imperial College London (London, UK)
Clinical fellow

2015年08月25日

【テーマ】第2回:留学手続きABC

国内の手続き段階から留学は始まっています。

私はまだ日本にいて現在進行形でビザ申請の最中です。

ですので、今回与えられているテーマの②引越しについて、③入国後の書類のながれ、④生活のセットアップに関しては報告できません。申し訳ありません。これらは渡英成功後に今後のレポートの中で少しずつ触れさせていただければと思います。しかし①国内の書類の流れだけでも十分書くことがありますので、紙面をフル活用して私の現状をお伝えさせていただきたいと思います。
今更ながらに思うことはビザ申請にはとにかく時間がかかり忍耐が必要ということです(まだ完結していませんが)。噂は諸先輩方から聞いていたので早めの行動を心がけていたつもりです。それでも今まだビザ申請で悪戦苦闘中です。ビザ申請の準備を通しての実感は、外国との事務手続きは本当に骨が折れることと、とにかく時間を要することです。申請者の努力でなんとかなることと、どうすることもできないことがあります。
私は留学が決まった2014年9月にビザ申請の準備を開始しました。といってもその時の私の知識はイギリスへの入国や滞在にはビザが必要というのみで、イギリスのビザに関する知識はほぼ0からスタートしました。そこで留学先のボス(Justin Davies先生)に相談すると、無給で研究を目的に留学するのだから2年間の学生用ビザを取るようにとアドバイスをもらいました。言われた通り「学生用ビザ = student visa」を調べてみるとイギリスの学校(大学や大学院)に入学して勉強する人用のstudent visa (Tier 4)に行き着きました。当然ですが受け入れ先のボスは必ずしもビザシステムに詳しい訳ではありません。
そこでグーグルで検索してヒットしたのがイギリスのビザ申請センター(日本語)のホームページでした。ここではStep1: 必要なビザを調べる → Step2: 申請方法 →Step3: 申請手続きが終わったら、という3段階で申請のプロセスが記載されています。一見シンプルに見えてホッとしたのも束の間、Step1でいきなり躓きました。ビザと一言でいっても渡航の目的に応じて多種多用のビザが用意されています。自分の目的・条件にあったビザを申請しないといけないのですが、必要なビザの検索はUK Visas and Immigrationのウェブサイト(英語)で行うことになります。ここで自分に当てはまる条件項目を入れると必要なビザが提示される仕組です。しかしこの検索システムが極めて難解です。入力項目は3つほど(国籍、目的、滞在期間)でシンプルなのですが、検索の結果、複数のVisaが提示されるので予備知識がなければ路頭に迷います。
自分一人ではビザ申請の完遂は不可能と判断し、方々の知人を介してイギリス留学経験者を紹介してもらい助けを求めました(あまりに複雑すぎるのでイギリスビザ申請のサポート会社があるくらいです)。私の留学条件ではTier5と呼ばれるtemporary worker用のビザ、もしくはacademic visitor用のビザが必要と教えてもらいました(留学先から給料が出たり、イギリスで医療行為を行ったりするとなるとさらにレベルの高いビザが必要みたいですが私の条件には当てはまらないので今回は触れません)。2つのビザの大きな違いは許可される滞在期間です。Tier5は2年間まで、Academic Visitorは原則1年間までの滞在が許可されます。ただしTier5はCertificate of Sponsorship (CoS)という言わば留学先の施設に留学期間中の身元保証人になってもらうような保証書を発行してもらう必要があります。私は2年間の留学予定のためTier5を申請することになるのですがこれの入手に時間がかかりました。
留学先のボスにCoS発行をお願いすると、状況を理解してくれてすぐに留学予定施設のHuman Resource(人事課?)に話を通してくれました。しばらくするとHuman ResourceからCos発行のための申込書とCoS発行に必要な書類リストが送られてきました。必要書類リストには①パスポートのコピー、②履歴書 (CV)、③医師免許の英訳コピー、④留学資金の証明書、⑤UK ナショナルインシュランス番号などの提出が求められました。なかなか手強いなというのが第一印象でした。①②は自分ですぐに準備できました。③は厚生労働省のホームページに発行手続きが掲載されています。その通りに手続きすれば発行してくれますが、平均1ヶ月くらい時間がかかるそうです。時期によってはさらに時間がかかるらしく私は2ヶ月以上待ちました。④は取引先銀行で英文の残高証明書をポンド建てで発行してもらいました。取引先が地方銀行のためかあまり慣れていない感じでした。また実際に銀行に行かないと発行してくれなかったので、取引先銀行は近くが便利です(私の場合は離れていたので苦労しました)。⑤UKナショナルインシュランス番号はよくわからなかったため、これも留学経験者の方たちに相談するとイギリスに居住したことがなければ持ち得ないことがわかりました。一瞬Tier5の申請は無理なのか怯みましが、留学先と交渉してみることにしました。⑤はイギリスに住んだことがないので無理だが、それ以外の書類は揃えたのでこれで発行して欲しいとメールに記載し、その他の必要書類を添付して送りました。すると1ヶ月程して、留学先よりCoSの発行ができそうと返事が返ってきました。最初から書類リストにその旨記載しておいてくれれば悩まなくても済むのにと思いましたが、結果が全てです。しかしその後は、なかなか前に進みません。時々、催促と進捗状況の確認を兼ねてメールするのですがなかなか返信をもらえません。本当にCoSを発行してくれるのか、いつ頃になるのかなどモヤモヤした気持ちでひたすら待ち続けました。そして先日(8月11日に)やっとCoSが発行されました。振り返るとCoS発行を依頼してから7ヶ月ほど要しており、メールの最後の一文は Thank you for your patienceでした。やっと申請条件が揃ったのでこれを元に今Tier5の申請を行っています。無事発行されることを祈りながら。
その他の国内で必要な書類や手続きについてですが、ビザ以外にも様々な手続きが必要です。例えば所属学会の休会届。学会ホームページに記載されていますが学会毎に届出方法や、留学中の学会費免除制度など異なります。また最近の関心事項は海外送金方法です。気軽に考えていましたが、実際行うとなると厄介です。入国の際、高額な金品を持ち込むと(100万円くらいが限度?)申告が必要です。そこで渡英後にイギリスで銀行を開設し日本の銀行からの送金を考えていますが、銀行によって手続き、方法、手数料(実際の手数料や為替レート)などが少しずつ異なるようです。簡単にネットバンキングでできると考えていましたが私の取引先銀行では不可能と言われました。手数料も深刻です。現在1ポンド=195円前後で取引されており(アベノミクスの影響を今になって痛感します)、これに1ポンドあたり数円の為替手数料と送金手数料がかかります。ただでさえ物価が高いとされるロンドンですので資金繰りを考えないと留学継続が困難になる可能性もあります。色々調べると海外送金に強い銀行であったり、手数料をなるべく抑制できる方法が記載されています 。例えばForeign Exchange (FX)を利用すると手数料を抑えられると幾つかのウェブサイトで紹介されていたので実行可能か勉強中です。ここへきて資産運用の勉強をするとは思いませんでした。
国内での手続きを行うだけでこれまでにない経験を多くします。実際に渡航すればもっと多くの初体験が待ち受けているのでしょうが、今から心配しても仕方ありません。国内にいるときから留学が始まっているのだと自分を納得させています。