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from Overseas

鳥居翔(D.C., USA)

鳥居翔(D.C., USA)

CV Path, Washington D.C., USA

2017年01月20日

【テーマ】第7回:世界に出てから見つめ直す日本の医療、どこへ向 かっていくべきか

経済重視、アメリカの医療から学ぶべき所

日本の医療、どこに向かっていくべきか。

最近良く考えています。

日本に居た時も考えていましたが、外に出て臨床から離れて、より考える機会が増えました。

 

研究の話題ももちろんそうですが、それは過去にもレポーターの先生方が書いているのでちょっと方向性が違う話にしようと思います。

 

それはいかに医師の仕事を減らすか。

 

というと語弊がありますが、いかに効率良く働く方法を考えるか。

です。

 

僕らの仕事、特に下っ端であればあるほど、医師免許がなくてはできない仕事って少ない気がします。

 

例えば、

胸痛の患者さんが救急外来に受診した時に、前回の心電図、採血結果を知るために前医、もしくはかかりつけ医に電話して送ってもらう。

そしてそのFAXを取りに行って電子カルテに取り込む。

 

保険の書類で何日から何日まで入院し、どんな手技を施行したかを書き込む、要するに退院サマリーに記載してある内容を再度、紙に書き写す。

 

臨床試験に登録している患者さんに直接電話し、安否、そして有害事象を確認する。

 

いや、大変ですよね。

研修医の頃なら、疾患の事、そして疾患に対する治療だけでなく、患者さんの背景なども含めて学ぶために経験する事は必要だとは思いますが、

経験を積んだあとに、特に1つの診療科で医師が1人しかいないような地方の病院でこれを続けるのは辛いです。

 

事務方を増やして、秘書みたいに手伝ってくれる人がいるだけでも違うと思うんですけどね。

ただ、各病院とも経営的な観点からは難しい。

 

じゃあどうやって減らすのか。

 

仕事の効率をいかにあげるか、についてもっと議論すればいいと思っています。

 

スマホやパソコンの普及で、私達の生活は10年前と比べても大幅に変化しているのに、医療業界は特に変化していないなんておかしいですよね。

 

せっかくマイナンバー制度になったので、1国民1カルテにして医療情報を共有するようにするとか、

家族とのムンテラにはskypeのようなアプリを使うとか、

保険の書類にそのまま転用できる電子カルテのシステムにするとか、

 

色々ありますよね、実現するには恐らくかなり大きい壁がありますけど。。。

 

アメリカで生活を始めて早10ヶ月、医師の仕事を減らす為の1つのアイデアとして、面白いシステムを見つけたのでそれをここで紹介したいと思います。

 

それはNurse Practitioner(NP)のシステムです。

 

名前は昔から知ってはいたのですが、医師の診療をサポートする範囲が通常の看護師に比べて少し増える程度かと思っていました。

 

しかし、アメリカにきて近所のクリニックについて調べてみると、

NPが一人で開業しているクリニックが多数ある事に気がつきました。

 

確かに、花粉症、高血圧や脂質異常症の薬、もしくはインフルエンザの診断などは、難治性なものでない限りは高度な知識は必要ない事が多いですし。

風邪も、viralの場合はほとんどのケースでは医者ができる事は限られていますし。

そう言えば、臨床研修が終わった後の3年目、外来を初めて一人で担当した頃、どうしていいか迷った時は、外来にいるベテランのお姉さま方に色々聞いたものでした。

一定期間の看護師経験の後に大学院で再度学び、得意分野の中では処方まで自由にできるというNPのシステムは、僕らの忙しい外来の手助けになると思いますし、医療費削減、そして何より看護師さんの方が一定の地域にとどまる事が多いように思えるので、医師偏在対策にもなるのではないかな。と思っています。

 

富裕層に対するアメリカの医療は世界一かもしれませんが、国家として考えると乳幼児死亡率も、子供の死亡率もGDPの割に非常に高く駄目な国ですが、効率、そして医療費削減の為にはしょうがないと割り切って導入するそのフレキシブルさは、日本も見習うべきだと思います。

 

これからの日本の医療、効率という観点からも議論が活発になればいいのですが。

 

PS

明日、トランプ政権が正式に誕生します。

トランプ大統領、私は個人的に嫌いじゃないのですが、オバマケアの骨格は残してくれるといいなぁと切に願っています。