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from Overseas

加藤陽子 (Baltimore, USA)

加藤陽子 (Baltimore, USA)

Johns Hopkins University
Research fellow

2018年12月30日

【テーマ】第9回:帰国後のビジョン

循環器画像診断分野で今後何がしたいのか

大変ありがたいことに、ラボのPIのDr. Limaと相談のうえ、Post-doc Research Fellowとして仕事を継続できることになりました。このチャンスに感謝し、今後も是非いろいろな経験を積みたいと思っています。帰国時期は現時点では未定ですが、今後の目標を挙げてみたいと思います。

 

1. 画像コアラボの仕事の継続と発展

2. 画像診断技術開発への関与

3. 循環器画像診断分野への理解の推進

 

1. 画像コアラボの仕事の継続と発展

世界に通用するレベルの画像コアラボの仕事は、日本でやりたいことのひとつです。画像コアラボの仕事は、虚血・心不全・不整脈・先天心領域など、循環器の他分野からの需要のうえに成り立ち、それが醍醐味でもあります。日本でも画像コアラボというものがきちんと認識・確立され、機能していく必要があります。日本の画像コアラボの働きが認められ、日本以外の国も含めたマルチセンタースタディからコアラボとして選ばれるような時代が来るのが理想です。

医療保険制度のおかげもあり、虚血分野・不整脈分野など、(医療コストの問題はありますが)現在の日本では「理想の治療」を追及することができます。これは日本の医療の特殊性のひとつだと思いますし、日本の医療から得られたデータを世界に共有することは大変意義のあることと思います。MRIを含む画像診断は論文報告をする際のエンドポイント評価に大変重要で、担当するコアラボはスタディに大きな役割を果たします。是非スタディを計画する際に「どのモダリティでエンドポイントを評価し、どこのコアラボを組み入れるか」を考えていただけたら嬉しく思います。

 

2. 画像診断技術開発への関与

今回の留学の経験から、画像の読影のみではなく、撮像技術の開発に関わる面白さも知るようになりました。心臓MRIを使用する側から臨床的な視点も含めて開発する側にフィードバックし、それを元に開発が進んでいくのは、今までの経験が生かせ、理想とする画像を追求できるダイナミックで大変面白い経験です。自分自身の技術・経験・知識が求められる領域で貢献し続けていけると嬉しいです。

3.  循環器画像診断分野への理解の推進

循環器画像診断が、単なる「非インターベンション」分野として敬遠されるのではなく、Decision makingに関わる重要な役割としてより正しく認識されることが必要だと思います。そのために循環器画像診断分野に従事するものは画像以外の分野(虚血・不整脈・心不全・ストラクチャー・先天心・その他様々)についての総合的な理解が不可欠ですし、個人的には、先に専門的な他分野を修めたうえで画像分野に入るのが良いと思います(何が良いかは様々な意見があると思いますが)。私個人は、画像診断に興味を持ったきっかけがPCIオペレーターとしてのストラテジー作成に画像を用いたことであり、カテーテルインターベンションを背景としています。また、循環器画像診断を専門としてからは、画像を契機として不整脈や先天性心疾患など、虚血以外の循環器分野にも幅広く興味を持つようになりました。循環器画像診断に関わるものは、自分たちの判断がどのように他分野に影響・貢献できるかを忘れず、常にクオリティの高い仕事を追求する必要があると思います。

これも今回の留学で学んだことですが、循環器画像診断分野は、単なる「診断」のみではなく、情報通信・Automatic Intelligenceを用いた診断技術・循環器以外の診療科とのコラボレーション・コメディカルやスタディコーディネーターとの協力など、他の様々な分野・人と関わる機会が多くあります。多角的な仕事ができ、新しいことを学ぶ機会が多く面白い分野だと思います。