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2015年11月27日

Shiono’s

FAME試験

Fractional flow reserve versus angiography for guidance of PCI in patients with multivessel coronary artery disease (FAME): 5-year follow-up of a randomised controlled trial

Lancet. 2015 Aug 28. pii: S0140-6736(15)00057-4. doi: 10.1016/S0140-6736(15)00057-4. [Epub ahead of print]

冠動脈インターベンション(PCI)を心筋虚血診断に基づいて実施することの重要性を広く認識させたFAME 試験の5年follow upのデータがLANCET誌に掲載された。

FAME 試験とは冠動脈疾患の標準的診断法である冠動脈造影ガイドのPCIと、冠内測定に基づく心筋虚血診断法であるFractional flow reserve (FFR)ガイドのPCIの臨床成績を比較した試験である。これまでに1年後の結果がNEJM誌に、2年後の結果がJACC誌に掲載されており、いずれもFFRガイドで実施するPCIの臨床転機が冠動脈造影ガイドPCIのそれよりも優れることを報告している。これらの結果に基づいてESCのガイドラインがFFRをClass IAで推奨しており、FAME試験は心筋虚血診断ガイドのPCIを推奨する根拠となるランドマーク試験である。

しかし今回の結果は意外にも冠動脈造影ガイドPCIとFFRガイドPCIで5年時の心血管イベントに有意差が無くなる(31% vs. 28%, p = 0.31)というものであった。2年時まで認められていたFFRガイドPCIの冠動脈造影ガイドPCIに対する有意性が、それ以降にFFRガイド群でイベントが増加したことで両群のイベント発生率に有意差がつかなくなった(図)。

著者達は今回の結果がnegative studyであっても、冠動脈造影ガイドPCIに比してFFRガイドPCIでは使用ステント数が少なく(2.7/patient vs. 1.9/patient)低コストで同等の治療成績であることや、少なくとも2年時まではFFRガイドPCI群が有意に良好な臨床成績をたどったこと、そもそもFAME試験が1年時のイベント発生率をもとにデザインされた試験であり今回の試験結果は単に統計学的なパワー不足であった可能性などから、FFRガイドPCIを継続して推奨している。

PCI後の薬物療法の内容、冠危険因子の管理具合がどうであったかなどnegative studyになった原因が他にも無いかいろいろ気になるところではある。しかし様々な要因があったとしても虚血ガイドPCIのライドマーク試験であるFAME試験には5年後の結果でもやはりFFRガイドPCIの優位性を示し続けて欲しかった。FAME試験を実施したFFRを推奨するグループたちも今回の結果は予想範囲内であったのであろうか?本試験の解釈は様々に可能で、FFRを信じる人は著者たちの主張を受け入れられるであろうが、FFRを信じない人はますますFFRから遠ざかるように思う。

私はこの試験結果をFFRガイドPCIは安定狭心症患者に対するPCIの治療成績を向上させる一つの手段ではあるがそれだけでは十分ではないと解釈した。皆さんはどのように解釈されますか?FAME試験の5年後の結果をぜひご一読ください。

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