これからが勝負の時

正直なところ、まだまだこれからです。苦しい日々を過ごし、まだこちらで心底幸せだと感じられるところまで、至っていません。これまでのレポーターの先生方が比較的ポジティブなコメントを残してらっしゃいますが、どの先生方も苦しみを乗り越えた上での、前向きなコメントではないかと思います。
 
日常生活や家庭、職場での立場、同僚や上司との関係、目に見える結果など、全てが好循環にいたって初めて、留学をポジティブに捉えられるのではと思います。留学は資金面や、文化や言葉の違いによる、ネガティブな面が多々あることは間違いないです。留学半年強の現在では、まだまだ苦闘の只中にいます。日本での比較的守られた立場を一時的なりとも捨て、こちらで医師以前に1人の人間として、新たな場所で挑戦している事の意義を噛み締められるのは、帰国を間近に控えた頃でしょうか。正直、嫌になることもありますが、苦しい時こそ成長していると感じるメンタリティが自分を突き動かしています。留学は自分が望んだものですし、お金、時間を全て自分のために使える、人生の中の大変貴重な期間と考えています。これから一年半程度の時間が残っていますので、今までの苦労が報われる様に結果を求めて過ごしていきたいと思います。
 
家族に目を向ければ、2歳の息子は現地の保育園に通い、英語も含め日々成長を見せてくれます。本を読み聞かせれば、新しく出会った言葉を何度も声に出してみたり、パスルをすれば、少しずつできる様になる事が楽しいのか、満足できるまで完成させては壊して、また作るを繰り返しています。なるほど、この様な繰り返しや積み重ね、このプロセスが成長を生むのだと改めて教えてもらえます。また妻はあと1週間程度で2人目の男児を出産予定です。慣れない環境、不自由な言葉の中での出産は、不安が大きいはずですが、気丈に振る舞い、着々と準備を進めています。自分がこちらで勤めている病院での出産を選んでくれた妻には、感謝以外に言葉がありません。留学は1人で成り立つものではなく、特に家庭がある者にとっては、家族の理解やサポートがなくては成り立ちません。手前味噌にはなりますが、私は家族に恵まれ、私のわがままを通してもらっており、感謝は尽きません。
 
私の留学生活、また私の家族にとっても、ここからが勝負の時です。長男や、間も無く生まれてくる次男、家族に恥じない人間である様、この貴重な時間を楽しみつつ、努力を続けていきたいと思います。
 
最後になりましたが、これまで私の拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。毎月のレポートは私にとって、自分を見つめ直す素晴らしい機会でした。この場を借りて、改めてSUNRISE lab.の皆さまに感謝を申し上げて、私のレポートを締めさせていただきます。1年間ありがとうございました。
 

ロンドンはだいぶ春めき、ミモザが満開です。

ロンドンはだいぶ春めき、ミモザが満開です。

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小暮 智仁(London, UK)