医師として、一人の人間として、父親・夫として、これからどのように生きるか?

みなさん、こんにちは。CRFの清家です。
今回のお題は、帰国後のビジョンです。
 
““医師として、一人の人間として、父親・夫として、これからどのように生きるか?”“
 
留学してから、このことをよく考えるようになりました。“留学は目標ではなく、過程である”と言われます。また、“留学後にどのようにするのかが大切である”とも言われます。
しかし、留学直前は日本の仕事を仕上げること、留学の準備のため将来の事をじっくりと考える時間はあまりない人が多いのではないでしょうか。
 
【医師として】
このことを考えるには、自分の実現したい将来像が必要です。留学を考えられている先生、そうでない先生も、自分の理想の将来像はどのようなものですか?
残念ながら私は、しっかりとしたビジョンは持てていません。そして、がむしゃらに目の前のことをしていればいい年齢は、もう終わってしまっています。
私の夢は、Intravascular-imaging Physiologyを実臨床に広めていくことです。これがうまくいくかどうかは分かりません。しかし、そのためのベストの道を選ばせていただいたと思っています。この夢がどのようになるのかをCRFで見届けて、その後ビジョンを再度考え直したいと思っています。
自分に甘いのかもしれませんね。
今年の日本循環器学会・Asian Pacific Society of Cardiologyは幸い参加させていただくことになりましたので、是非アドバイスを下さい。
 
【ひとりの人間として】
自分というものを考え直す機会が、この半年間は多かったです。社会人になり、プライベートであっても医師として生きてきたように思います。米国では私はMDではありません。しかしこちらで仕事をすると、自分の思っていた以上に、自分のアイデンティティーは医師ということにあったのだと気付きました。医療現場でnon-MDという立場ではたらき、自分を見つめ直すいい機会であったと思います。
 
【父親として、夫として】
当直業務がなくなり、研究会も激減、出張も激減しました。平日や土曜日に働いている時間はそれほど変わらいないと思いますが、これらのものがなくなり家族と過ごす時間が大幅に増えました。日本にいるときは子供と過ごす時間が短いため、“役割としての父親”として振る舞い、一人の人間として子どもたちと向き合うことが実はあまりなかったと気づきました。今は、自分の子供達の特性、性格を考え、ひとりひとりの人間としてお互い話している時間も出来ています。かけがえのない時間を過ごせていることに感謝でいっぱいです。人間関係は一度良い関係が作られれば、その後は少しぐらい時間がなくても、ある程度うまくいくことが多いと思います。父親として、夫として留学してよかったと100%言えます。そして日本に帰ってからも、全く同じとは行かないものの、留学前ほど当直などをする回数は多くないと思いますので、家族と過ごす時間を大切にしていきたいと思います。
 
最後に、
今年のSUNRISE-YIAの結果を見させていただくことを楽しみにしておりますが、私が発表させていただいた時には、すでにPCI関連で留学される方はマイノリティーになっていると感じました。ストラクチャー>不整脈>PCIといった印象でしょうか。虚血領域は場合によっては斜陽産業と評されることもあります。
しかし、患者さんの数は明らかに多い領域で、大幅に減少することはないと思います。技術革新は時代とともに必ずやってきます。新しい技術が出来、一定期間後その分野の延びがプラトーになっていくことは必然です。しかし、需要の多い分野ではかならず、他の分野から技術革新が応用されていきますので、将来のPCI分野には悲観しておりません。
私の行っている流体力学の応用も、他の分野からの応用なのだと思います。共同研究のため、ボストンにある研究室にお邪魔させていただきましたが、冠動脈領域に対する技術の進歩も確実に行われています!
虚血が好きな循環器の先生たくさんおられますよね? 全く悲観することなく、自分の好きな分野の臨床、研究を進めていきましょう!
 
Cardiovascular Research Foundation
清家 史靖 拝
 
* 本年のSUNRISE-YIAの結果を見させていただきました。虚血をテーマに留学される先生は0人ということでした。CRFなど、定期的に日本人の留学生がおられる施設がありますので、実際に留学される先生はおられますが、これも時代ですね。