私の留学しているCardiovascular Research Foundation (CRF)、CUMC (Columbia University Medical Center)はニューヨークのマンハッタンに位置しています。The Big Appleというのはニューヨークの別名で、リンゴ売りが大儲けをしてその名前になったとか、いろいろな説があるそうです。人種のるつぼと言われており、住んでみると本当にいろいろな人が街に溢れています。そんな素敵な街にある、CRFの紹介をさせていただきます。
1. 施設の規模
CRFは研究機関ですので、この施設自体は医療行為を行っておりません。CRFへの留学生は、CUMCでのカテ室業務及びCRFで研究を行います。Columbia大学でのPCI件数は年間およそ2,200-2,500件程度で、他の施設と比べるとcomplex caseが多いのが特徴です。米国の一般的なImagingとPhysiologyのPCI時使用率は15-20%程度と言われていますが、CUMCではImagingもしくはintracardiac physiologyが80%程度使用されております。この使用率の高さは、長年のMintz先生やMaehara先生の努力の賜物ではないでしょうか。
CRFではCUMCの臨床データを用いた研究ももちろん可能ですが、多くのMulti-center studyの解析を行っており、これらのデータを用いた研究を行えることは、CRFに留学する大きなメリットであると思います。
2. ボスや同僚の紹介
ボスはDr. Mintzと前原先生です。Mintz先生はIntracoronary imagingの父とも言えるお方です。CRFに来る以前より、Mintz先生のpaperから多くの事を学ばせていただきましたし、NYCに来る2日前には学会で厳しい指導をしていただきました。
前原先生もご存知の方が多いと思います。とてもチャーミングでパワフルな先生です。大変お忙しい中、時間を割いて研究の指導をしていただいており、本当に感謝しています。Imagingに関する知識は本当に深く広いですので、studyに関するmeetingは本当に勉強になりますし、その知識をフルに活用して深いdiscussionをすることが出来ます。
下の写真は、前原先生にIVUSの読み方の指導をしていただいているところです。あっという間に時間が過ぎていきます!
同僚の紹介をさせていただきます。SUNRISEで発表をされた日本人の先生方もおられます。藤村先生、野口先生、臼井先生の3人は一年前より留学しておられ、渡米前から渡米後にいろいろと教えていただきました。
したの写真に一緒に写っておられる方が松村さんで、CRFで6年働かれており、我々の兄貴的な感じで、いつもサポートをしていただいております。
また中国から現在4人の留学生が来られており、彼らの施設のPCI件数の多さに驚かされます。うち3人の施設のPCI件数を聞いたところ、3,000, 5,000, 8,000件/yearということです。非常にみなさんgentleであり、早速自宅にも招いていただき、ごちそうしていただきました。
日本人が多いので英語があまり上達しないのではとも思っておりましたが、コロンビア勤務のときは基本的に英語でcommunicationを取るしかなく、中国の先生とも英語でしか話せませんので、ある程度は上達していくのではと期待しています。
エジプトからも一人留学生が来られており、皆さん非常に熱心で、良い環境の中仕事が出来ていると思います。
3. どこの施設とのコラボレーションが多いのか?
Intracoronary imaging最大とも言えるCore laboですので、大変多くの施設との関係があります。
4. 日常業務のスケジュール
(1) CRFでの業務について
CRFでは一日研究を行います。自分のプロジェクトを行うこともあれば、他の留学生の解析を手伝うこともあります。
7月1日よりCRFでの仕事が開始、実際にはオリエンテーションなどではじめの数日は終わってしまいます。7月6日にはBossである前原先生とmeetingの時間をいただき、3時間超今後のstudyの方向性の話し合いを行わせていただきました。
はじめのstudyに関しては、どのような解析を行いたいのかを予めお伝えしていたこともあり、7月6日当日にデータをいただき解析を開始しております。留学先でデータをいただくことが大変とお聞きすることもありますが、その点は恵まれていると思います。
Intracoronary imaging laboのfellowは今年9人になり、留学生の受け入れが常にあるため、環境が整っているのだと思います。そして解析している内容は、SUNRISEでプレゼンさせていただいた内容!で、本当に幸せです。結果をみるのが楽しみで仕方ありません!
(2) CUMCでの業務について
おおよそ週に1-2回のカテ室勤務があり、ImagingとPhysiologyの機械の操作と、コメントをします。NYは多民族で構成されている街であり、英語に関して寛容なことに救われています。また、Colombia大学の医師やスタッフの方々もほとんどの方が優しく、大変快適に過ごさせていただいております。
私の隣に座っている方が、CUMCでの私のボスKhadyです。彼女は大変優しく、熱心に指導していただいております。英語もゆっくりと丁寧に話していただけるので、彼女の英語だけはおおよそ聞き取れます。英語で笑いながら話が出来るとは思わなかったのですが、彼女との会話は英語の勉強にもなりますし、単純に楽しいです。
カテ室でImagingの説明を英語でするのは難しいのですが、これは自分に必要な能力になるので、少しずつ磨いていこうと思っております。
ILUMIENで有名なDr. Aliとの写真です。大変気さくな方で、カテ室でもFumi! Fumi!と呼んでいただき、指導していただいています。OCTも非常に有用に使われますが、IVUS-guided zero contrast PCIもされており、Imagingを学ぶ上で多くの経験をすることが出来ています。
5. 休日の過ごし方
土曜日もしくは日曜日の片方は一日家族と過ごすことにしています。NYは観光地だらけですので、家族でどこに行くか予め相談して、いろいろなところに行っています。公園もいたるところにあり、New Yorkerは休みはとにかく外で過ごす文化のようです。写真はブルックリン・ブリッジとディランズキャンディーバーです。子どもたちはディランズキャンディーバーは楽しくて仕方なかったようです!
また、土曜日と日曜日は家族の食事も作ることが多く、ステーキを食べることが楽しみです! まず肉が安い、100グラム200円ぐらいの肉がとても美味しく、大きなオーブンが備え付けられているので、簡単にミディアムレアのステーキが焼けます。土曜日日曜日はほとんどステーキとワインをとっており、週末が来るのが待ち遠しいです。
NYCの良いところだと思いますが、日本人がそこそこ住んでおり(NYCにおおよそ3万人ほどおられるようです)。公園に集まって、子どもたちと親が集まって遊ぶこともあります。せっかくアメリカに来て日本人と?と思われる方もおられるかも知れませんが、マンハッタンに勤務されている方はとても優秀で、いろいろな経験をされていますので、みなさんからいろいろな話を聞けてこれはこれで貴重な経験になっています。
NYは、夢を抱いている人の街だ。何度も素晴らしい夢が試されてきて、アメリカン・ドリームが実現してきたところなんだ。
マイケル・ブルームバーグ
CRFとこの素敵な街で、夢をいだいて生きています。
清家 史靖