前回のレポートでまだ留学先から採用が降りていないと書きましたが、なんとか書類がそろい正式に採用して頂きました。ちぎれそうになっていた首がつながり、晴れて研究開始!どやっと行きたかったのですが、上司たちが忙しくてなかなか研究プランが決まらず、もんもんとした毎日です笑。当面は与えられた心エコーの解析ソフトで、こそこそデータを蓄積しようと思っています。始まったばかりで、そこまで留学先病院のことを把握できていませんが、分かっている範囲で書きました。
1. 施設規模
私の留学しているイェーナ大学病院は、ドイツのチューリンゲン州にある唯一の大学病院です。循環器内科を担当している内科学Ⅰでは、循環器疾患の管理、集中治療、救急医療をバランスよく行っています。Structural Heart Diseaseにも力を入れており、TAVI、経皮的肺動脈弁置換術、Mitraclip、LAA closureを積極的に行っています。手技時間も非常に早く正確で、TAVIは一日4件こなします。
そんなイェーナ大学医学部は1558年、イェーナ大学創立時から存在する歴史のある学部で、脳波を発見したハンス・ベルガーや、顎間骨を発見した、詩人で有名なゲーテなど多くの著名な研究者を輩出してきました。イェーナは人口10万人という小さな都市ですが、そのうちの2万人が大学生、海外からの留学生は2,500人程おり、現在でも盛んに研究活動が行われています。
2. ボスや同僚の紹介
教授であるProf. Schulzeは心不全研究の専門家で、ニューヨークのコロンビア大学で心筋細胞の糖・脂質代謝の研究を行った後、2015年にイェーナ大学に赴任しました。現在ではドイツ移植学会の役員に任命され、ドイツにおける心臓治療の中心人物です。その実、全くそれを鼻にかけない人格者で、私が大学となかなか契約がとれないとき、彼が直接人事部に交渉してくれたおかげで今の私があります。彼の傘下に様々な心臓の専門分野の研究室がありますが、私が所属する研究室は心臓血管リモデリングをテーマとしています。心臓移植後、心筋症、肺高血圧症などに伴い心臓・血管がリモデリングするメカニズム、バイオマーカーを研究し、様々な難治性循環器疾患の治療戦略の発見に貢献している研究室です。
3. 日常業務スケジュール
まだ研究計画が定まっておらず、現在のところ、はっきりしたdutyはありません。ですが、同僚に合わせて朝7時半までには出勤し、エコーデータの解析、データベースの作成、カテ室の見学やドイツ語の勉強もさせて頂いています。私はたいてい夕方の5時に帰りますが、そのときには皆帰っていて閑散としていることもしばしばです。ドイツの多くの企業はフレックスタイム制を採用しており、オフの時間を大切にしています。日本全体も早くそうなってほしいものです。
4. 休日の過ごし方
ドイツは閉店法というものがあり、日曜、祝日はお店が空いていません。初めてドイツに来たときは、休日の過ごし方が全く分からず、自宅に引きこもって鬱々とインターネットサーフィンをしていました笑。 やっと最近、多くのドイツ人は休日、公園でゆっくり過ごしていることがわかり、自分も友達とバーベキューをしたり、楽器を演奏したり、友達の子供と遊んだりしています。
ネット情報で、ドイツ人は堅苦しいイメージだったのですが、実際はそんなことはなく、笑顔で挨拶をしてくれるし、ノリが良い人も多いです。ただ、メールの返事は遅いし、「Ja!!」と言ってくれたことを遂行してもらうまで、かなりの時間がかかります。こちらでは、いかに早めに計画を立てて、待ち時間を無駄なく過ごすかを常に試されている気がします。