1. なぜ留学しようと思ったのか?
ここでサッカー日本代表でもっとも注目されている選手の言葉を引用します。
『チャレンジ精神の無さなんですよ。日本の選手は環境に甘えてる。これはサッカー界だけに言えることではなく、日本全体に言えるんですよ。』 『どうやったらチャレンジ精神を持てるようになるかって? 世界に出ればいいんです。いますぐリュックサックもって、海外に出ればいいんです。』
『日本のサッカーレベルがどんなものかわからないでしょ?』 『海外に出ればわかるんです。でも、みんな、なかなか行かないんです。Jリーグで割といい年俸もらって、レギュラーでファンもいてくれて。』 『これ言うとね、Jリーグからも各クラブからも批判を受けるんですけど、別にJリーグが悪いと言ってるわけじゃないんですよ。』
『行って戻ってくればいいんですよ。日本が好きなら。別に戻ってくることを否定しているわけじゃないんですよ。』
『日本だけでやっているとわからないことがあるから出ろ!と言ってるんです。』
以上の引用のなかの、言葉を次のように変えてみてください。 Jリーグ→日本の病院。
以上が、私の留学の動機です。 留学する動機よりも、留学しない動機のほうが見当たりませんでした。
2. メンター、ロールモデル
国立循環器病研究センター麻酔科の稲冨佑弦先生・2人の兄
3. なぜ現在の留学先を選んだのか?
私が生涯を通して研究したい分野は、医学教育。私が生涯を通して追求したいことは、波乗り。
私にとって、上記2件を満たす病院は、日本では亀田総合病院以外にありませんでした。よって、留学先の選択は、私にとっての亀田総合病院を超える施設という視点で行いました。 候補は、オーストラリア、アメリカ西海岸、ハワイ、フランス・スペイン・ポルトガルの西海岸など。その中で、可能な限り多くの知り合いに、また知らない人でも話しかけて留学先があるかどうか問い合わせ続けた結果、ハワイ大学と結ばれることになりました。 私は、慶應義塾大学麻酔学教室、国立循環器病研究センター麻酔科、東海大学麻酔科で学んだ心臓血管麻酔の経験、知識、そして姿勢をいかに効率的に亀田総合病院麻酔科の研修医に伝えていくかを追求して働いてきました。そして、私は2年前から、経食道心エコーのシミュレーターの学習効果に関するシステマティックレビューを、京都大学の片岡裕貴先生が率いるチームにご指導してもらいながら進めてきました。この際、医学教育に詳しい共同研究者として、京都大学で医学教育を研究されている及川沙耶佳先生が加わってくださいました。当時、留学先を見つけるために、ありとあらゆる方の経歴を調べて、留学先を紹介してもらえないか様々な先生方にお聞きしていた私は、及川先生の経歴をPub Med等で調べ、ハワイ大学で医学教育の研究をされていた経歴を発見しました。偶然、私は家族でハワイに旅行していたため、すぐに及川先生に連絡したところ、ハワイ大学のシミュレーション教育を行っているSimTikiを紹介してもらい、ディレクターのベンジャミン先生にアポをとって頂くことができました。さっそく妻と2人の娘を連れてベンジャミン先生のところへ出向き、医学教育に対する熱意を片言の英語で熱弁。なんと、いつでも来て良いよと返事をもらい、留学が決まりました。
ハワイで熱弁後の私↓
ちなみに、ハワイ大学に受け入れてもらうためには、英語能力の証明が必要です。 英語能力の証明はどうすればいいかわかりますでしょうか?
Option 1: 真面目にTOEFL, IELTS等で、高得点をたたき出す。
Option 2: 提携の語学学校などで、英語能力の証明書を出してもらう。
Option 3: 施設のディレクターとのインタビューで、英語能力の証明をしてもらう。
という手段がありましたが、ベンジャミン先生に対する片言の英語での熱弁で、私は③の基準で英語能力の証明書を発行してもらいました。 もし、今現在、TOEFL, IELTSの点数がなかなか取れない、もしくはUSMLEの面接でどうしても語学が理由で合格できないなどの理由で留学できずに日本でくすぶってる先生がいらっしゃいましたら、③の基準で英語能力の証明をとることも同時平行に考えると、留学にはやくたどり着けるような気がします。我々に必要なのは、最大限の志と最低限の語学力だと思います。医者として、また人間として、自分がどうしたいのか、本当はなにがやりたいのかをごまかさずに生きてきたことが間違いでなかったと、実感しました。
実際の英語能力の証明書↓
4. 留学するにあたって困難であった点、どのように解決したか?
日々の臨床と教育、家に帰ってからの子育て、どれも手を抜けない状況で、留学先を探さなければなりませんでした。実際は、本当に留学先がみつかるのか?という不安と焦燥にかられていました。ただし、先ほどのサッカー日本代表選手の言葉であったように、最終的には、どんな目的でもいいから、一度日本をでる、ということを実現すればいいと思ってたので、チャレンジ精神さえあれば、目的は達成できるように思います。 しかし、無給でハワイで1年以上生活するのは、多少貯金があったとしても並みの勤務医の給料では生活が苦しくなるのは明らかでした。亀田総合病院とSUNRISE研究会からサポートを受けることができ、なんとか留学できるようになりました。この場を借りて、感謝申し上げます。
最後に、サッカー日本代表の選手の言葉を英語にして、第一回のレポートを終わります。
“Most professional Japanese football players have little challenging spirit, they are very compliant to their environment. This is not only for the football players in Japan, but for most of Japanese.”
“How can you get a challenging spirit ? All you have to do is go overseas. You should leave home right now with a backpack.”
“You don’t know what Japanese football level is like, do you? You could know that if you fly across the sea. But they don’t try to expand their horizons easily. Because they got a good salary in the J-League, play regularly and fans are there.”
“Anytime I say such a thing, I always get criticism from the J – League and some football clubs, but I am not saying that J – League itself is bad. Once you go outside of Japan and recognize for Japan, nobody won’t stop coming back to Japan if you prefer. I do not deny your wanting to stay in Japan.
“There are many things you can not realize if you are only in Japan, So, I’m telling you to get out of Japan once!”