辛抱

1. VISA取得までの道のり

留学の最初の関門はVISAの取得と多くの先輩方が言っていますが、まさにその通りだと実感しました。自分の場合には、20147月に最初のSkypeによる面接、201411月にAHAでの面接、その後20153月に留学先であるDuke Clinical Research Institute(DCRI)を訪問して複数のFacultyおよびChief Fellowとの面接を経て、20154月の段階で留学先から内定を頂きました。DCRIResearch Fellowshipは毎年7月開始であるため、留学は20167月からということになりました。この時点で留学まで13ヶ月程度ありましたが、奨学金の獲得を考えるとこのくらいの余裕があって良かったと思っています。施設によっては、留学に際して奨学金の獲得を要求されると思います。奨学金の獲得には、留学先からのAccept Letterの提出が応募の必須条件となっていることがほとんどです。20164月からの留学に際しての奨学金の応募締め切りは、早いもので20155月くらいになるので、1年前くらいにはAccept Letterをもらっておいた方が有利になると思います。留学に際して応募できる奨学金はある程度ありますが、学内の選考があったり、基礎研究に限られていたり、倍率も高かったりとなかなか厳しい戦いです。晴れて奨学金を獲得できたのちに、必要書類(下記)をDCRIに提出し、VISA申請に必須のDS-2019の到着を待ちました。

【提出書類】

 家族全員分のパスポートのコピー

 奨学金のAccept Letterおよび残高証明書

 夫婦の結婚証明と息子の出生証明(これは戸籍謄本を取り寄せ、自分で英訳し、原本と一緒に提出)

 Curriculum Vitae (CV)

 学位、卒業証明書、成績証明書

 医療保険の加入証明書(これはVISA発給のために一定の条件を満たしている保険に加入する必要があって、大学から斡旋されたものに加入)

 過去のアメリカへの渡航歴を証明する書類(過去のパスポートの記録+HPからI-94を入手)

しかしこれらの書類提出後も、奨学金の金額が足りないという理由でなかなかDS-2019は発給されませんでした(最終的に国内の上司にSupport Letterを書いて頂き対応しました)。米国に入国後にVISAを取得するというプロセスは不可であるため、日本国内でVISAの発給を受ける必要があります。研究留学の際に発給されるVISAJ-1 Scholarと呼ばれるVISA(家族はJ-2)で、DS-2019とパスポートをもってアメリカ大使館で面接を受けることで発給されます。自分の場合は、留学先に書類提出したのが20161月でしたが、最終的にDS-2019が届いたのが6月中旬で、VISA発給が6月末になりました。当初、出発は6月末に考えていましたが、VISA発給の兼ね合いで出発を7月中旬に延期しました。この辺りは自分の力だけでは如何ともすることができないので、先方が機嫌を損ねない程度に催促をしながら、待つしかありませんでした。正直、このVISAが発給されるまでの半年間が途方もなく長く感じました。本当にVISAは発給されるのか? 周りに留学に行くって言っちゃったけど、本当に行けるのか? VISAは発給されていないけど職場には退職届けを出して良いの? こんな感じで悶々としながら日々を過ごしました。一言で言うと辛抱ですね。

2. 生活のセットアップ

DCRIに面接に行った際に、Duke大学に留学されていた先輩に案内して頂いたり、現地の日本人会に入会したり、現地に滞在されている方々が書かれているブログを参考にしたりして、事前に情報を入手しました。

引っ越しは、冬物やすぐになくても問題のないものは船便にして(東海岸は到着まで約2ヶ月)、直近で必要なものは、できるだけ手荷物で持ち込む作戦にしました。家族3人(夫婦+2歳)で最初から一緒に渡米することにしたため、飛行機の座席を3席確保して、預け入れ荷物を超過料金無しで持ち込める最大の6個(大型スーツケース3+ダンボール3箱、それぞれ重量限界の23 kgちょうどに調節)を抱えて飛行機に乗り込みました。お米などの食料の持ち込みに加えて、自動車の購入に備えて現金もある程度持ち込んだため、税関で全て正直に申告しましたが、ダンボールを全て開けられた程度で、特に問題なく通過できました。

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移動中の写真:こんな感じで家族で大移動しました。

渡米当初の1週間はホテル+レンタカーでの生活でしたが、子供も一緒だったので、できるだけ早くにセットアップできるようにと、リロケーションサービスを利用しました。そのため渡米後ほぼ1週間で、新居への引越、自動車の購入、電話・水道・電気・インターネットなどのライフラインの確保、銀行口座の開設、家具の手配などができました。子連れで一緒に出発される場合にはこうしたサービスを利用するのも一手と思います。

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住まいの写真:Duke大学はダーラムという比較的小さな町にあり、物価は米国の主要都市と比較すると非常に安価です。日本に住んでいた頃と同じくらいの家賃で、2倍くらいの広さでプール付き、週末にはプールサイドでBBQという、いかにも思い描いていたアメリカンな生活を楽しむことができ、気分的には盛り上がります!!

生活をセットアップするTipsとしては…

・できるだけ手荷物で持ち込む(炊飯器とホームベーカリーも!!)

・税関は、ちゃんと申告すればビビることはない

・住居に関しては国内にいるときからインターネットでリサーチしてある程度絞っておく

・携帯は国内でSIMフリーのものに変更しておく(現地に到着した当日にAT&Tのショップに行き、プリペイドSIMに切り替え)

・海外送金に備えてプレスティア(SMBC信託銀行)に口座を開設する

 注1Citi bankから名称変更されています

 注2:三井住友信託銀行とは別物です

 注3:国際キャッシュカードも利用可能であるが、海外送金できるようになるまで2週間ほどかかるので現金である程度持ち込んだ方が良い

・実家にSling boxを設置する(インターネット経由で日本のTVをライブで見ることができます、録画も可能)

 

3. 最後に

米国へは多くの先輩方が留学されていますので、インターネットや書籍で多くの情報を得ることができます。それでも不安だらけで(特にDS-2019が届かないときなど)、本当に職場に退職届を出して良いのか、家族は路頭に迷わないかっといったことを本気で考えたりもしました…それでも、このような手続きも終わってしまえば良い経験だったと思っています。この先、色々とあると思いますし、渡米後3週間目の今も現在進行形で色々と起こっていますが、家族で楽しみながら乗り越えていきたいと思います。

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猪原 拓(North Carolina, USA)