St Thomas’s Hospital & Evelina London Children’s Hospitalに留学中の小暮智仁と申します。 2018年度SUNRISE lab.のレポーター業務を務めさせていただきます。よろしくお願いします。
<はじめに、失敗>
今回の留学が決まるまで、本当に長い道のりでした。
留学に向けて行動してから、8年がかかりました。
動機は単純で、元々留学に憧れがあり、海外で学びたいという思いもそうですが、海外で生活してみたい、海外の文化を知ってみたいという単純な興味が先だったと思います。
実際、医師歴4年目の終わりに一度留学を試み、留学予定先でのインタビューを終え、受け入れ許可までもらっていましたが、私のプランニングの甘さや医局人事との折り合いなどで断念せざるを得ませんでした。それから異動先の一般病院での業務等で手一杯となり、留学への道も全く無い状況で諦めようと思った時期もありました。しかし、強い憧れがここに導いてくれたと思います。
<感謝>
医師歴4年目の終わりというのは、SUNRISE幹事の重城健太郎先生が留学から帰国された時期に重なります。後期研修医の段階で留学され、帰国後はその研究経験を元に現在まで実臨床から臨床研究の分野まで幅広く活躍されておられます。出身大学が同じだったことや、私が留学に強い憧れを持っていた事から、最初の留学計画から親身に相談にのってくださり、今日に至るまで気にかけていただき大変感謝しております。残念ながらSUNRISE YIAではCOIの関係で点数は貰えませんでしたが・・・。
<留学までの苦闘>
全く道のない中での留学先探し、実際の留学に漕ぎ着けるまでは困難の連続でした。
私の留学先探しに関しては、専門分野を選定するところから始まります。前述の留学失敗の要因は留学の目的、利点がはっきりしていなかった点でした。
そこで留学を前提に自分の専門分野から考え直し、元々興味のあった先天性心疾患の分野に進むことを決めました。成人先天性心疾患の分野は、循環器内科の中で小児から成人への移行の問題点などで近年注目を浴びていますが、海外では10年以上前からこの分野に小児科、循環器内科医が共同で取り組みシステムが構築されているため、その進んだ診療体制を学ぶという海外留学の目的、利点が明らかです。私は留学を見据えてまず循環器小児科で2年間の研修を行いました。また研修の中で先天性心疾患患者さんに対する薬物治療の困難さ、カテーテル治療の可能性を感じ、元々循環器内科でカテーテル治療を行ってきた経歴を生かして成人先天性心疾患に対するカテーテル治療を海外で学ぼうと決めました。
2014年に同分野の主要国際学会であるCSI Frankfurtに参加させていただいた時には恥ずかしながらご高名な先生方の名前も顔も知らず、言っていることもよく分からない状態でした。仕方なく自分のスライドにコメンテーターや座長の先生方の名前と所属施設、ネットから引っ張ってきた顔写真を貼ってそれを覚えるところから始めました。本当に手探りで何かしなくては道は開けないという思いだけでした。本当に恥ずかしいスライドをお見せします。