ドイツの生活あれこれ

ボン大学リサーチフェロー 田中徹

 12月現在、ドイツは完全に冬となり、気温は0℃前後と冷え込み、朝も夕方も真っ暗な日々となりました。毎朝暗闇の中を出勤し、暗闇の中帰宅しています。それに伴い、新型コロナウイルスの患者数は加速度的に増多しており、第一波の患者数をゆうに超えてしまいました。11月は部分的ロックダウンでなんとかやり過ごそうとしていましたが、結局コントロールがつかず、12月中旬からはさらなるロックダウンへとステップアップすることになりました。ドイツの冬の風物詩であるクリスマスマーケットも各地で中止されており、その緊迫感およびコロナ対策の真剣さが伺いしれます。

(写真:市内のクリスマスツリー)

当施設では現時点では弁膜症治療に関しては症例数なども減らさずに行っています。しかし、治療を行う患者はみな治療前にPCR検査を施行し、かつ、医療者も治療中はN95マスクを着用するなど厳重体制です。しかし、集中治療室のベッド数が徐々に少なくなったり、循環器病棟も一部が閉鎖となったりと、状況は徐々に切迫してきています。そのため、今後は弁膜症などの循環器疾患の治療もある程度限定せざるを得なくなるかもしれません。

 

  1. 生活環境・住環境

私の住んでいるボンは非常に生活しやすい都市です。小さな街なこともあって、コンパクトにまとまっていて生活には困りません。日本と比べると、コンビニがなかったり、自動販売機がなかったり、と挙げればきりがないですが、まぁこんなものかと割り切れる程度ではあります。言葉はドイツなので、基本的にドイツ語です。若い人は英語も普通に話せますが、買い物などは慣れないながらもドイツ語でやっています。流暢にドイツ語が話せる日はいつ頃やってくるのでしょうか…。

大きなマンションやアパートなどがないドイツでは、住居は基本的に売り手市場です。そのため、大家に有利な賃貸契約となることが多く、また契約を結ぶためにも厳しい競争が待っています。私の留学しているボンはそこまででもなかったですが、ベルリンなどのより都会の街では特に空き家が少なく、家賃も高くなっているようです。住居の内装もキッチンもないような完全な空き部屋から家具付きの部屋まで多岐にわたります。加えて、子供がだめであったり、退去のときに補修や壁の塗替えをしなければならなかったり、とルールも多いです。その他にも、洗濯機が共有だったり、と条件を調べる際には細かなところにも注意が必要です。

私の家は築120年ぐらいの家屋のロフト的な部屋です。建物自体は古いですが、リフォームされていてそんなに古臭さは感じず、むしろモダンな感じです。戦時中には空爆もされたようですが、不発弾だったため無事だったとのことで、大家さんは曰く、住むと幸運が訪れる家らしいです。下にはそのドイツ人の大家さん一家が住んでいて、おすすめのお店やレストランを教えてくれたり、宅配の荷物も受け取ってくれたりします。ただ時には、ごみの分別や電気の消し忘れで怒られます。私の隣にも部屋があって、最近日本語を話すイタリア人が引っ越してきて、国際色あふれる家になってきました。

 

  1. 食文化、食習慣

一般的にはドイツの食事は美味しくないというイメージを持たれることが多いかと思います。正確には美味しくないというより、料理のバリエーションが少ないです。ドイツ料理の店に行くと、基本的にはソーセージ(カレーソーセージなど)、シュニッツェル(薄めのトンカツみたいな料理)など基本的には牛や豚の肉料理がメインです。それに大量のポテトかザワークラフトがついてきます。もちろんソーセージの種類や、肉料理にも部位や調理法などの違いはありますが、日本人の私からするとそんなに大差はありません。大学の食堂でも基本的には肉料理です。ただ、週に一度、金曜日だけは肉ではなくて魚料理になります。白身魚をフライにしたものではありますが、久しぶりの魚料理に心が踊ります。ドイツに来て、改めて日本の料理のバリエーションの多さを実感しました。

 

(写真:定番のカレーソーセージ)

そんな日本食はドイツでも人気です。特に寿司が人気で、あちこちにSushi barを謳うレストランがあり、スーパーでも必ずと言っていいほど寿司コーナーがあります。ドイツ人と寿司の話をすると、だいたい盛り上がります。一度も寿司を作ったことはありませんが、「寿司を作ろうか?」というと、たいてい喜びます。いつか本当に作らされるのではないかと少し心配です。そうした日本食はドイツのスーパーで日本を感じる数少ない機会でもあります。

ドイツで代表的なファストフードはケバブです。日本でケバブというと怪しい店としつこいぐらいの売り込みのイメージしかないですが、ドイツのケバブはとても美味しくて、人気があります。もちもちのパン(?)に大盛りの野菜と肉を挟まれていて、ボリュームも大きいです。駅前に構える人気のチェーン店から、路地にある隠れた地元店まで、様々な店舗が存在します。手っ取り早く野菜をたくさん摂れるので、一時期はケバブ屋に通い詰めていました。

また、ドイツの物価は比較的安い方だと思います。外食や惣菜などはやや割高な値段設定ですが、スーパーで食材を買う分には非常に割安な印象です。自炊している限りでは食費もかからず、そういった点で留学生には優しい環境です。ただ毎日自炊するのも大変で、吉野家やすき家が恋しいです…。

ドイツでも、日本食が恋しくなったら、街に一つはあるアジアンスーパーに行けば日本の食材を購入することができますし、ドイツ最大の日本人街のあるデュッセルドルフに行けば、新鮮な刺し身や薄切り肉なども買うことができます。通販もできるので、先日は日本のビールと米をまとめ買いしてみました。貴重なので大事に大事に飲んでいます。

(写真:ドイツで売ってる日本のビール)

 

  1. 家族の生活あれこれ

私の場合はまだ家族が渡欧しておらず、ドイツでは一人暮らしを継続している状況です。そのため、家族の生活に関する情報はほとんどないので、私の渡欧後の手続きについて紹介します。

ドイツでは基本的にビザなどの手続きは入国後に行います。日本国籍があれば3ヶ月間はビザなしで滞在が可能ですので、その間に手続きを行います。

1. 住居契約、健康保険加入

2. 市役所で住民登録

3. 携帯契約、銀行口座開設

4. 外国人局でビザの申請と取得

上記の4点を順番に行うだけなのですが、実際はいろいろと大変でした。特に、新型コロナのため手続きが変則的となっていて、気を遣うところが多かったです。

渡航日の1-2ヶ月ぐらい前にインターネットで市役所での予約を取得し、渡航後すぐに住民登録を行いました。ドイツでは役所での申請・手続きなどはすべて予約制で、直前でキャンセルが出ない限りは1-2ヶ月待ちになります。住民登録が済めば、その住民票を元に携帯電話の契約と銀行口座の開設ができるようになります。

そこからビザの取得まではだいぶ時間がかかりました。ビザの申請は本来であれば、住民登録後に管轄する役所へ直接訪問して、書類の提出などを行います。しかし、新型コロナ流行のため、申請システムが大きく変更となり、基本的にメールでのやり取りを行うようになっていました。しかし、几帳面なイメージを持たれているドイツでもやはり外国で、基本的にレスポンスは遅いです。まず、手順通りホームページの所定のフォームを入力し、申請をしましたが、一向に連絡が来ませんでした。直接メールも送ってみましたが、それでも返事は来ず、ドイツ人に頼んで再度メールを送ってもらって、ようやく返信が来ました。そこからも連絡がとぎれとぎれとなりながら手続きを進め、結局、観光ビザの失効する3ヶ月目ギリギリでビザを取得することができました。

 

  1. おすすめの観光スポット・おみやげ

ヨーロッパ留学の最大の利点(?)はヨーロッパ各国へ気軽に旅行に行けることだと思います。ドイツ人はとにかく旅行が好きなので、休暇となるといろいろなところへ旅行に行っているようです。よく日本のおすすめの観光地なども聞かれますし、日本に行った感想も聞きます。ヨーロッパ内であれば、移動も楽なので、日本から直接行くのは大変な国にも週末を利用して気軽に行けそうです。留学準備中はそのように様々な旅行計画を考えていましたが、残念ながらコロナウイルスの流行に加え、留学開始直後にロックダウンになってしまったこともあり、まだどこにも行けていません。春になったらロックダウンも緩和されると思いますので、時間があれば旅行に行きたいと思います。

残念ながら、ソーセージなどの肉は日本へ持って帰れないのですが、やはりドイツのお土産といえばお酒です。ビールもいいですが、ドイツのワインが美味しいです。ライン川沿いにワインの名産地が点在しており、特に白ワインの産地として有名です。あまり日本では見かけなかったのですが、辛口のリースリングワインが美味しいです。値段もお手頃なので、ドイツにお越しの際はぜひ試しに買ってみてください。

 

  1. ドイツでの自転車

ヨーロッパの他の国と同様にドイツも自転車文化が根付いています。道路も歩行者、自転車、自動車と区別されています。そのため、歩道であっても自転車優先だと歩行者は怒られます。道路でも自転車が優先されるので、日本にいたときのように自動車のクラクションを恐れながら自転車に乗る必要はありません。

そうした自転車が盛んな反面、自転車はすぐに盗まれます。私も購入して2ヶ月ぐらいで盗まれました。家の正面の鉄パイプの柵にチェーンで止めていたところ、深夜に男に柵を壊されて盗まれました。防犯カメラに犯行の一部始終が収められていました。一応警察には届けましたが、保険にも入っていなかったためその後も自転車やお金が戻ってくることはありませんでした。最近はもう自転車は諦めて、必要なときは電動シェアスクーターに乗っています。

これからヨーロッパへ留学されて、自転車を購入される方は必ず自転車保険なるものに入ることをおすすめします。

(写真:防犯カメラの写真。ちょうど自転車が盗まれているところ。)

 

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田中 徹(Bonn, Germany)