一生燃焼、一生感動、一生不悟。  相田みつを

みなさん、こんにちは。
今回のお題は、帰国後のヴィジョンです。私はあと1年ちょっとの留学期間が残っており、留学生活道半ばです。まだ留学中の目標を達成していない状況で、帰国後の目標を定義するのは難しいです。ですが、考えてわくわくしている自分もいます。しばし、妄想と戯れてみようと思います。
帰国後の目標は、⓵現場復帰、⓶継続、⓷教育、です。
⓵ 現場復帰
・知識のアップデートと職場での信頼関係構築を最優先します。
幸い留学中も臨床不整脈、すなわちカテーテルアブレーションに従事しています。しかしながら、デバイス治療(ペースメーカなど)や他の循環器診療一般に関しては2年間空白で浦島太郎です。この点に関しては、かなり劣等感というか、不安を抱いています。
また帰国後どこで働くにしても、職場での信頼関係構築を最優先課題とし知識のアップデートをし、現場復帰します。
⓶継続
・留学で培ったものを継続します。
留学中は、主に臨床に基づいたデータ収集や論文執筆を行っています。リサーチマインドは留学したことで醸成することができました。それを形にする(=論文化)ことも留学中にできるだろうと今は楽観できるようになりました。またこちらでfeasible (実現可能)でないネタも、帰国後であればfeasibleと感じるネタもあります。今は”論文を書きたい、書かなければ”という一種の強迫観念に追われて毎日過ごしています。留学前の私は、日常診療・臨床の忙しさを言い訳に論文執筆から逃げていました。帰国後は決して逃げません。
また自分が今まで従事した施設は、臨床症例は沢山あるのに、それが研究の1症例としてカウントされずに無駄(言い過ぎかもしれませんが)になっていました。自施設で行われる症例すべてを研究対象とする、というスタンスでやっていきます。
⓷教育
・後輩に、電気生理学の知識を徹底して叩き込みます。
・後輩に論文を書かせます。
電気生理学的な知識、電気生理学的検査(診断や鑑別のための手法)に関する知識・理解を、ここではEP literacy (Electro-Physiological literacy)と呼ぶことにします。
他国のフェローと接して驚いたことは、EP literacyの多さです(私が少ないのかもしれません。悲)。手技よりも、EP literacy習得が先行しています。アブレーションに関する私の浅く短い経験則を述べさせていただきます。「手技・経験に並行してEP literacyが習得される」というのが私の経験則でした。すなわち、この症例にアブレーションをするから、この症例と関連するEP literacyの習得を図る。換言すると、経験遭遇しない症例に関しては、EP literacyの習得が遅れます(場合によっては永遠にされません)。EP literacyには、ハイボリュームセンターといえど数年に1回使用するかしないかの検査手法、遭遇するかしないかの症例(脚枝間リエントリー、Mahaim束など)があります。これらの特殊症例や特殊なEP literacyは、「経験していない=持ち合わせていない」のが当然、というのが今までの私の考えです。しかし、当施設に来るフェローは、そうではないようです。電気生理学を先行して1年足らずなのに、経験遭遇したことのない脚枝間リエントリーやMahaim束の所見や診断基準、それらとの鑑別診断、鑑別手法を答えることができます。私にとっては、カルチャーショックです。劣等感です。なので、勝手ですが後輩にはとにかくEP literacy習得を徹底させます。各国のフェローを意識して、EP literacyで負けないような教育を行っていきます。電気生理学を志す人にとっては、手技は二の次で良いのです(批判覚悟の私の本音です)。
また私には、「学会発表はするけど、論文は書かない」時間が長かった自分に対する反省があります。論文を書く大切さ、楽しさ、その準備段階のデータ収集の仕方、クリンカル・クエスチョンやリサーチ・クエスチョンの創作を教えていきます。
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毎週金曜日のEP meetingにて。カナダ、ギリシャ、フランス、オーストリア、チュニジアのフェロー、スタッフとともに。
時に心内心電図1枚で数十分のディスカッションをします。私は英語プレゼンテーションの練習のためにも、毎週発表するようにしています。
問題です。この中でバイリンガル(フランス語と英語を話せる)でないのは?
答え: 日本人である私だけです(悲)。
かつ、みんなほぼトリリンガル(フランス語+英語+母国語)です(撃沈)。
SUNRISEネットワークを通じて
私にとっては、出身大学や地域や専門分野にとらわれないコミュニティーができたのは、このSUNRISEが初めてです。帰国後は、私の性格上、視野が狭小になり、コミュニティーも限られ、引きこもりになってしまう恐れがあるので”Keep in touch with SUNRISE lab.”でいます。そうすることで、今後留学される先生方の応援ができたり、留学を終えた後もSUNRISE lab.の先生方から学んでいきます。
今は漠然と、このSUNRISEネットワークと、ここで得られたコミュニティを利用して、多施設共同研究やレジストリーをしたいと思っています。今後、この漠然とした思いが形になると楽観しています。「S….U….N…. R…. I…. S….E….Trial」みたいなタイトルのStudyをやりたいです。
また、願わくは私の息のかかった後輩を、SUNRISE lab.に送り込み、私の叶わなかったSUNRISE YIA Goldを取得させます(笑)。
余談ですが
・定期的に運動します。
・余計なものは所有しません。
・バカンスを取ります。
留学による環境変化が、人生観?、仕事観?の変化をもたらしたようです。毎日自転車で往復1時間の通勤を兼ねた運動をしているのですが、これにより心身ともに健康になり、良質の睡眠が得られるようになりました。プラセボ効果ではありません。またお店が閉まっていたり、物価が高いなどの理由から自然と生活が質素になりました。生活の中で選択肢がないこと(娯楽、遊ぶ場所がないなど)、所有することへのこだわりが少なくなることで、雑念の軽減に、強いてはストレス軽減につながっている気がします。単に日本より仕事量が少なかったり、on callのストレスから解放されているからではありませんよ(笑)。仕事時間を削ってでも運動時間は確保します。”Needなもの”は所有しますが”Wantなもの”は所有しません。
日本でもライフワークバランスと謳われて久しいですが、フランスを見習って沢山バカンスを取ります(笑)。2週間のバカンスに出かけ、バカンス中に3週間に変更延長したドクターがいました。私も日本でそれをやってみようと思います。フランス文化の輸入と布教活動を行います(笑)。
帰国後に、「中島は変わった」と言わしめます。好意的に言われるでしょうか、それとも。。。。。年の功か、留学の功か、Going my wayできそうです。
留学が何たるか悟ることなどできるとは思っていません。留学中も留学後も、一生懸命に精進し、燃焼しきって、一生何かに感動し、憤慨して、学んでいきます。