1. ボルティモアの歴史と住環境
ボルティモアはアメリカ東部メリーランド州の都市で、海に接する街です。隣の都市であるワシントンDCやフィラデルフィアにもアクセスしやすく、東海岸の観光の拠点として良い場所であると思います。
1797年に誕生したアメリカの最も古い都市のひとつであり、南北戦争の舞台となり、国家や星条旗の生まれた街としての歴史があります。少し郊外に行くと、昔の避暑地として使われた屋敷群があり、石造りの壁やフロントポーチのついた美しい造りの家が並んでいます。Ann Tylerというボルティモア出身の作家がいるのですが、彼女の本を読むと、雰囲気がわかるかもしれません。
一方現代のボルティモアは殺人・強盗などの事件が多く、アメリカの治安の悪い都市ランキングの常に上位に入る都市です。地域によって治安の良し悪しが大きく異なるため、行動する時間や場所には注意が必要となります。2017年の夏に、アメリカのバージニア州シャーロッツビルで暴動が起きましたが、同時期に私の住んでいる地域にあった南北戦争に関連した銅像がある朝突然撤去され、大変驚きました。それまで気に留める事すらなかった銅像でしたが、歴史的・人種的な背景・問題というのは、身近なところにもあるのだと実感した次第です。
現在私はラボに通いやすいHomewoodという地域のApartmentに住んでいます。ここはJohns Hopkins UniversityのHomewood campusという大学施設の周囲の地域のため、多くの学生が住んでおり、Johs Hopkinsのセキュリティースタッフが常駐してパトロールする比較的治安の良い地域です。子供のいる家族だと、比較的郊外の通学させたい学校の学区内に住むようです。
2. 食文化、食習慣
アメリカの食生活は、捉え方によって大きく異なります。いわゆるFast foodは推して知るべし(高カロリー・高脂肪・高塩分)ですが、伝統的な料理は必ずしもその限りではなく、野菜や豆類を使ったものもあるようです。文化・習慣・宗教・健康などの理由で食べられないものを持つ人たちもいれば、特に制限のない人もおり、人それぞれです。日本食は健康的というイメージがあり、巻き寿司のような形をした「SUSHI」をはじめ、健康志向の高い人たちに人気があります。各国料理のレストランがあり、日本では馴染みのない料理を食べる楽しみもあります。
ボルティモアならではの食文化はCrab (蟹)が有名で、Crab cakeという蟹肉の塊を調理したものを提供するレストランが多くあります。私の家の近所では毎週土曜日にFarmer’s Marketが開かれます。早朝から人が集まり、新鮮な野菜・卵・乳製品・パン・コーヒー等を生産者から直接買うことができ、大型スーパーマーケットとは異なる雰囲気を感じることができます。
3. ボルティモアの観光
ボルティモアは古い歴史ある街としての美しさがあります。良く観光ガイドブックで取り上げられるInner HarborからFells pointという海辺の地域には多くのレストランが集まっています。同地域の水族館(Baltimore National Aquarium)は規模が大きく良く整備されており、おすすめです。個人的に好きなのはHomewood campusに隣接するBaltimore Museum of Artです。有名な西洋美術の画家の作品を無料で数多く見ることができる贅沢な空間です。ボルティモアゆかりの著名人としては、ベーブ・ルース(野球選手、生家があります)、エドガー・アラン・ポー(作家、墓があります)、スコット・フィッツジェラルド(作家、一時的に住んでいた家があります)などが挙げられます。野球やフットボール観戦にスタジアムに行くのも、スポーツ観戦が好きな人にはお勧めだと思います。
4. ボルティモアみやげ
ボルティモアのキーワードとしてはJohns Hopkinsをはじめとした大学群・Crab (蟹)・Flag of Maryland・スポーツチーム(野球のOrioles、フットボールのRavens)、Under Armour (本社がボルティモアにあるスポーツメーカー)などでしょうか。ボルティモア在住の人達の中にもこれらに因んだグッズを愛用している人を見かけます。食べ物としては、Old Bayという調味料が有名で、蟹など海産物を食べるときに使えます。大きなメーカーではありませんが、地元のコーヒー焙煎店の豆やチョコレート、アイスクリーム、地ビール等、嗜好品は様々楽しめます。